皆さんは、腸腰筋(ちょうようきん)という筋肉をご存知ですか?
腸腰筋は、股関節まわりを支えるとても重要な筋肉。
この筋肉を鍛えることで、実は女性に嬉しい様々なメリットを得ることができるんですよ!
そこで今回は、腸腰筋を鍛える筋トレメニューや鍛え方、実際の効果などを紹介していきたいと思います。
腸腰筋とは?どこにある筋肉?
画像参照:https://toremo.jp/archives/18912
腸腰筋とは
腸腰筋は、腰脊柱からの大腰筋と腸骨からの腸骨筋が合わさり、大腿骨小転子に付着している筋肉である。
筋肉としてそれぞれの役割を持ち、特に歩行には重要な筋である。同様に他の構造物に対する大きな影響力がある。
参照:腸腰筋(大腰筋、腸骨筋)の臨床的重要性|日本カイロプラティック徒手医学会
このように腸腰筋はインナーマッスルの1つで、上半身を支えるために重要な役割を担っています。
トレーニングしても実際に筋肉が付いたかどうか確認することは難しい筋肉ではあるものの、腸腰筋を鍛えると体幹が鍛えられ、体全体の安定感を高めることができるほか、様々なメリットが得られると言われています。
腸腰筋の働き
私達は何事もなく日々歩いていると思いますが、実は「足を前に出す」ために重要な働きをしているのが腸腰筋です。
腸腰筋は足を前に振り出す働きがあり、姿勢を維持するためにもとても大切な筋肉です。
これが弱ってしまうと、姿勢が崩れ、背骨や股関節に負担をかけてしまうことに…。
姿勢が乱れると老化も進みやすくなってしまいます。
また、腸腰筋は股関節の曲げ伸ばしにも大きな影響を与えていて、例えばウエイトリフティングでウエイトを上に持ち上げる姿勢を支えているのはこの腸腰筋です。
腸腰筋は、30代から急速に衰え始め、加齢とともに衰えると言われています
腸腰筋を鍛えるメリット
では次に、腸腰筋を鍛えることで得られるメリットを見ていきましょう。
①身体の歪みの解消
腸腰筋を鍛えると、体幹部が安定してきます。
下半身と上半身を結ぶ腸腰筋は、それぞれの体幹部がブレないように支え、身体のバランスを維持する働きがあるため、体幹の軸を整え、身体の歪みを整えることができます。
身体の歪みが取れると、全身の血流が良くなるため、冷えやむくみの解消も期待できます。
②運動機能の向上
体幹が安定すると、運動機能も高まってきます。
特に、歩く・走る・バランスを取るという3つの動作は腸腰筋をよく使うため、結果が分かりやすいと言われています。
③ヒップアップ
腸腰筋を鍛えると身体の歪みや骨盤も矯正されるため、ヒップアップ効果も期待できます。
また、腰回りのインナーマッスルでもあるため、鍛えればウエストを引き締めることもできます。
④ぽっこりお腹の解消
腸腰筋が緩んでいると、内臓が下に落ちてしまい、その結果として下腹が出てしまう場合があります。
そのため、腸腰筋を鍛えると下腹のぽっこりも予防・解消することができると言われています。
⑤腰痛の緩和
腸腰筋が硬くなると、腰の骨を引っ張り、腰痛を引き起こす可能性があります。
特に、長時間デスクワークをしている人や長距離運転している人は腸腰筋が弱くなってしまいがちなので、腸腰筋をストレッチして硬くなるのを防ぐようにしましょう。
このほかにも、代謝の向上や便秘の解消、疲れにくくなるといったメリットもあるため、女性は特に鍛えておきたい筋肉の一つと言えます。
腸腰筋に効果的な筋トレメニュー5選
では次に、自宅で簡単に行える腸腰筋の筋トレメニューをいくつかご紹介します。
①レッグレイズ
股関節の屈曲運動を行うレッグレイズは、まさに腸腰筋のための筋トレと言えます。
ダイレクトに腸腰筋にアプローチできるため、高い効果が期待できます。
ただ、誤ったフォームで行うと腰に負荷がかかり過ぎてしまうため、正しいフォームで行うようにしましょう。
【レッグレイズのやり方】
- 両足を伸ばして仰向けに寝る。
- 両足を真っ直ぐ伸ばしたまま両足を床から離し、90度まで上げる。
- ゆっくりと息を吐きながら床へ下ろす。
- 1~3をゆっくりと繰り返す。8~15回を1セットとして行うようにしましょう。
- 足を持ち上げる際、反動をつけずにゆっくりと上げます。
- より負荷を加えたいときには床に足を完全につけず、直前で浮かせるようにしましょう。
- 腰に負担をかけたくない場合は、お尻の下に手を入れて行ってみてください。
②レッグレイズキープ
レッグレイズの応用編。
静かに行うことができ、インナーマッスルを意識することができるトレーニングです。
【レッグレイズキープのやり方】
- 両足を伸ばして仰向けに寝る。
- 両脚を伸ばして床から浮かせる。
- 30度~45度程度の高さで止める。
- そのまま30秒間キープする。
- これを10回ほど繰り返します。
- 足を上げるときに息を吐き、下ろすときにゆっくりと吸い込みます。
- 上半身は、手でしっかりと固定させて動かないようにしましょう。
- 足をキープしている間は息を止めず、ゆっくりと呼吸しながら酸素を体中へ行き渡らせましょう。
③バイシクルクランチ
バイシクルクランチは、腹斜筋を鍛えるトレーニングではありますが、腸腰筋にも効果的。
反動をつけず、じっくり腹部をひねるように行ってください。
【バイシクルクランチのやり方】
- 両足を伸ばして仰向けに寝る。
- 膝を90度に曲げて、軽く持ち上げる。
- 腹筋を使って頭と肩を浮かせ、手は頭の後ろに軽く添える。
- 片足をまっすぐ伸ばしていき、反対の足は胸に引きつけるようにする。
この時、まっすぐ伸ばした側の上半身を逆足側に寄せる - 伸ばした足と引き寄せた足を元の位置に戻していく
- 反対の足を伸ばし、同じ動作を繰り返す
バイシクルクランチで最も負荷がかかる瞬間は、上半身を足側にツイストする時です。
ここでどれだけ絞れるかで効果は大きく変わってきます。
そのため、上半身をツイストさせる時は、しっかりと限界まで腹斜筋を絞るようにツイストしていきましょう。
④フロントランジ
片足を大きく前に踏み込み元の位置に戻すフロントランジは、腰回りの筋肉を鍛えることができます。
ダンベルを使えば、簡単に負荷を高めることができるのでおすすめです。
【フロントランジのやり方】
- 足を肩幅ほど開く。
※負荷を上げたい場合は、ダンベルを持って体の横に下げる。 - 片足を前に踏み込み、深く腰を落とす。
- 元の位置に戻り、反対の足も同様に行う。
- 10回を1セットとし、3セットほど行いましょう。
フロントランジを行う際に動かすのは、下半身のみ。
上半身が動いてしまうと、足の内側か外側のどちらかに負荷が強くなり、バランスよく鍛えることができなくなるので注意しましょう。
⑤ニートゥーエルボー
腸腰筋から腹筋、大胸筋など、上半身から下半身まで全体の筋肉を鍛えられるのが、ニートゥーエルボーです。
腸腰筋だけでなく、全身を効率よく鍛えたい人には特におすすめです。
【ニートゥーエルボーのやり方】
- ストレッチマットなどを敷いた上に膝立ちになる。
- 体を前に倒し、四つん這いになる。
- 左足と右手をゆっくり伸ばす。
- 左足を腹筋に引きつけていきながら、右手も折り畳む。
- 足と肘を付ける
- 元の体勢に戻す
- 1~6を15回ほど繰り返し、反対の手足も同様に行う。
ニートゥーエルボーを行う際に大切なのは、姿勢を真っ直ぐキープした状態で行うこと。
腰が上がったり下がったりした状態で行うと、効率よく筋肉に負荷をかけられなくなるため、正しいフォームで行うことを意識しましょう。
腸腰筋に効果的なストレッチ方法
腸腰筋を筋トレで鍛えるほかに、腸腰筋に効果的なストレッチを取り入れることで、筋肉のこわばりを和らげ、股関節を動きやすくすることができます。
どれも自宅で短時間で行えるものばかりなので、テレビを見ながらなど、ぜひ隙間時間に実践してみてください。
ランジホールド
足を前後に大きく開いて腰を落とすストレッチが「ランジホールド」。
後ろ足の腸腰筋が十分に伸びているのを感じながら行いましょう。
【ランジホールドのやり方】
- 両足を前後に開いて立つ。
※この時、出来る限り足を広く開くのがポイント - ゆっくりと腰を下ろす。できるだけ深く下しましょう。
- 上の体勢のまま、20~30秒ストレッチする。
- 左右の足を前後入れ替えて同様に行う。
- 前足の膝の角度ができるだけ90度になるようにしましょう。
- 前足の太ももと後ろ足のふくらはぎが平行になるまで上体を落としましょう。
クレッセントランジ
通常のランジよりも深く腰を落とすことで、股関節を十分にストレッチすることができるのが「クレッセントランジ」です。
【クレッセントランジのやり方】
- 床に正座した状態から、片足を前に踏み出し、先ほどのランジの姿勢を作る。
- 腰を前に押し出すように、できるだけ前の足に重心を移動させる。
- 上の体勢のまま、20~30秒ストレッチする。
- 左右の足を入れ替えて同様に行う。
後ろの足は、足のつま先から甲、膝までが床にピッタリつくようにしましょう。
グルートブリッジ
お尻の大臀筋と太ももの裏のハムストリングを主に鍛えられるのが「グルートブリッジ」ですが、同時に腸腰筋も伸ばすことができます。
【グルートブリッジやり方】
- 仰向けに寝て膝を立てる。
- かかとで床を押しながら、腰を上げ、3~5秒ほどキープしストレッチする。
- ゆっくりとお尻を下げ、元の体勢に戻る。
- 1~3を何回か繰り返す。
まとめ
今回は、女性に嬉しいメリットをもたらしてくれる腸腰筋を鍛える筋トレメニューやストレッチ法をご紹介してきました。
運動不足の人や運動が苦手な人は、まずは筋トレメニューではなくストレッチから始めてみても良いかもしれません。
この機会に腸腰筋をほぐし鍛えて、身体の内側から健康になりましょう♪